ご挨拶
研究所「IRES²(アイリス)」の展開
次世代半導体・センサ科学研究所
所長 澤田和明
本学は、前身の「エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)」を機能強化(改組)し、令和5年4月1日に「次世代半導体・センサ科学研究所(英名 Institute for Research on Next-generation Semiconductor and Sensing Science (IRES²))」を設立しました。これまでの研究活動をベースに、次世代半導体技術及びセンシング技術を基盤とした「エレクトロニクス革新技術」を、ロボティクス、情報通信、ライフサイエンス、農業工学、環境、防災及び次世代モビリティ等の先端的応用分野との融合研究を通じて、社会実装にまで展開するとともに、国内外の課題解決に貢献することを目的として活動しています。
本研究所は、最先端研究領域を開拓する「基礎研究部門」、半導体・センサを設計から製作・評価まで一気通貫で行う「LSI工場」、融合研究を応用展開し社会実装までを担う「社会実装部門」からなり、「戦略マネジメント部門」が全体の研究サイクルを統括することで、基礎研究~集積回路試作~社会実装までの一気通貫型イノベーション創出モデルを形成し、世界トップの次世代半導体(教育)研究・試作拠点を目指しています。また、研究組織としては、基礎研究部門に4分野(革新センシング技術創成分野、革新センシング技術展開分野、先端環境センシング分野、先端生命科学分野)、社会実装部門に4分野(次世代モビリティ社会分野、安全安心技術分野、先端アグリテック分野、人間・ロボット共生分野)があり、有機的連携による集積化センサ×異分野融合研究を推進しています。
研究活動拠点は、IRES²-1 (1,500m2 :平成22年完成)の1Fに先端材料開発クリーンルーム、2Fに光関係計測室、物理計測室、そしてバイオサイエンス実験室、3Fにスタッフ用フロアー等が配置されています。IRES²-2 (2,300m2)は、IRES²-1と3階でつながり、通称LSI工場と呼んでいるLSI・センサ・MEMSの設計からCMOS・センサプロセス、評価まで一貫して行うことができる「世界にも希有な施設」 (21世紀COE中間評価)」を擁しています。IRES²-3は、ライフサイエンス実験施設として、動物を扱う本格的な実験施設を平成24年度に工学系大学では希であるが、完成させ、融合研究を展開しています。
IRES²が世界的な異分野融合研究を推進するためには、産業界、国内外の研究機関、そして本学の多くの分野の先生や学生の皆さんのご理解と協力が欠かせません。そして、そこから世界に発信する研究成果や産学連携活動成果が出てくることを期待しています。