ご挨拶
研究所「E I I R I S(アイリス)」の展開

エレクトロニクス先端融合研究所
所長 澤田和明
本学では初めての研究所である「エレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)」が設立(平成22年10月1日)され、本学の強みである「エレクトロニクス基盤技術分野」(センサ・LSI、フォトニクスデバイス)と、それを用いて研究を展開する「先端的応用分野」(ライフサイエンス、医療、農業科学、環境、情報通信、ロボティクスなど)との新たな融合を目指した異分野融合研究拠点として整備、拡充をすすめています。
研究所組織としては、先端融合研究4領域(先端センシング、ブレイン情報テクノロジー、バイオ・グリーンテクノロジー、先端材料計測)、研究支援・人材育成部門があり、学内の教員と共に研究活動を展開しています。
研究活動拠点は、EIIRIS-1 (先端融合棟1,500m2 :2010年完成)の1Fに先端材料開発クリーンルーム、2Fに光関係計測室、物理計測室、そしてバイオサイエンス実験室、3Fにスタッフ用フロアー等が配置されています。EIIRIS-2 (2,300m2)は、EIIRIS-1と3階でつながり、通称LSI工場と呼んでいるLSI・センサ・MEMSの設計からCMOS・センサプロセス、評価まで一貫して行うことができる「世界にも希有な施設」 (21世紀COE中間評価)」を擁しています。EIIRIS-3は、ライフサイエンス実験施設として、動物を扱う本格的な実験施設を平成24年度に工学系大学では希であるが、完成させ、融合研究を展開しています。
特に、世界的な異分野融合研究を推進するために、国際会議(The Irago Conf.)を研究所開設当初から毎年開催し、e-News Letter等で世界にEIIRISの活動を発信しています。また学内の融合研究推進のため、平成25年度から、EIIRIS異分野融合研究プロジェクトを開始し、現在45テーマを展開しています。また、学内の各分野の先生を話題提供者として毎月イブニングコロキュアムを開催し、さらにテニュアトラック教員によるランチコロキュアム開催など融合研究の芽を出すべく全学での議論の場を設けています。また、EIIRISの活動状況をEIIRIS Bulletinとして毎月配布も行っています。このように、国内外、そして本学の多くの分野の先生や学生の皆さんのご理解と協力が異分野融合拠点形成には欠かせません。そして、そこから世界に発信する研究成果や産学連携活動成果が出てくると期待しています。最後になりますが、平成25度文科省の「 研究大学強化推進事業(10年)」にて22拠点の一つに本学が採択されました。さらなる全学的な取り組みが期待されています。