世界初!「作物の光合成をリアルタイム計測できるシステム」を開発

【研究成果のポイント】
◆施設園芸の生産者が利用可能な植物の光合成・蒸散をリアルタイム計測できるシステムを世界で初めて商品化し2019 年10 月1 日に発売する。
◆生産している作物個体全体の光合成を直接計測することは困難であったが、独自の技術により11 カ月間トマトの連続計測を可能にした。
◆AI 農業の推進に不可欠なビッグデータを創出する新たなシステムとして農業の生産現場に普及する事が期待される。

【概要】
愛媛大学社会連携推進機構植物工場センター・豊橋技術科学大学エレクトロニクス先端融合研究所高山弘太郎教授らは、農林水産省委託プロジェクト研究「人工知能未来農業創造プロジェクト」において、農業生産の現場において作物の二酸化炭素の吸収量から光合成の変化を計測できるシステムを世界に先駆けて開発し商品化しました。このシステムは、従来、農家の経験と勘に基づいて行われてきた栽培環境(温度・湿度・二酸化炭素濃度等)の調節を、植物の光合成を直接計測した数値に基づいて最適化できるシステムとして注目を集めており、AI 農業を推進するための基盤的な情報を得ることができます。


【研究の背景と開発品】
太陽光型植物工場は,太陽エネルギーを最大限に生かしながら、効率的に作物生産を行う施設です。
気温、CO2 濃度など様々な要素が制御されておりますが、日中の環境制御の最大の目的は栽培作物の光合成の最大化です。
従来の光合成の計測は、大学や研究機関が有する非常に高価な専用装置を用いて、植物の葉の一枚一枚を対象とした計測を行っていたため、気温・湿度・日射・二酸化炭素が変化する農業生産現場での、植物個体全体のリアルタイムの光合成とその変化の様子を把握することは困難でした。
髙山教授らは、この点を克服するため、農業生産現場で植物個体全体の光合成を計測する技術を開発しました。
この技術は、太陽光型植物工場で栽培されている植物を底面が開放された透明なフィルム(以下チャンバ)で覆い、チャンバの上部に設置したファンにより、チャンバ内に上向きの気流を生じさせ、チャンバから流出する空気のCO2 濃度差を計測する事で、トマト個体群の光合成速度を算出するものです。
このシステムの開発により、一般の農家も光合成の情報を入手することができるようになり、光合成を最大化させるための栽培管理に活用できます。また、植物からの水の放出量(蒸散量)も同時に計測しますので、水やりのタイミングなどの最適化も図ることができます。

【開発システムの販売】
このシステムの販売は、協和株式会社(大阪府高槻市、代表取締役:野澤重晴)が担当し、Photo[synthesis] Cell(フォトセル)の名称で2019 年10 月1 日に発売します。2021 年3 月末までに50 セットの販売を計画しており、研究施設等では短期的な需要もあることから、レンタル対応も検討中です。

製品・販売に関する問い合わせ先
協和株式会社 ハイポニカ事業本部 電話072-685-1155 担当:磯山

研究開発に関する問い合わせ先
高山研究室 電話0532-44-6659 担当:山本・白井


【関連リンク】
https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-101979/

 

 

研究発表  2019.09.30