本雑誌カバーは、各巻号の掲載論文の中から優れた成果を発表した著者に対して、編集部の推薦により栄誉として与えられたものです。
生分解性プラスチックのひとつであるポリ乳酸は、その結晶化温度を変えることで α 晶(約110 ℃)やδ 晶(約80 ℃)などの異なる結晶構造を形成することが知られています。本研究グループは、電波と光波の境界領域に位置するテラヘルツ光をプローブとしたポリ乳酸の分光学的研究に着目し、従来の時間領域分光法を用いた狭帯域(0.1 ~ 3.0 THz)測定ではなく、フーリエ変換分光法を用いた広帯域(1.0 ~ 8.5 THz)測定により、テラヘルツ帯に現れる特異な吸収スペクトルの起源に関する新たな知見を得ました。
書誌情報:
・代表選出者:応用化学・生命工学専攻博士前期課程1年 大西 理志(静岡県立藤枝北高等学校卒業)
・共同研究者:豊橋技術科学大学:有吉 誠一郎、三上 光瑠、辻 秀人、荒川 優樹、田中 三郎
大阪工業大学:廣芝 伸哉
・論文題目 : Temperature dependent poly(L-lactide) crystallization investigated by Fourier transform terahertz spectroscopy
・掲載日 : 2021年7月21日
・雑誌名 : Materials Advances
・学会名 : Royal Society of Chemistry
・掲載表紙URL: https://pubs.rsc.org/en/journals/journalissues/ma#!issueid=ma002014
DOI:https://doi.org/10.1039/D1MA00195G